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【感想】ありがとうって言えたなら

瀧波ユカリさん著『ありがとうって言えたなら』読みました

 

みなさんこんにちは!
河野サクラです。
今日はずっと気になっていたエッセイを読んだのでその感想を書きます!

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その前にざっとあらすじ。

 

あらすじ

2014年春、瀧波さんのお母さんはステージ4のすい臓がんと診断されます。
瀧波さんは札幌、お母さんは釧路、瀧波さんのお姉さんは大阪に住んでいましたが、お母さんはお姉さんのいる大阪へ移り、闘病します。
瀧波さんはたびたび大阪へ行くこととなりますが、その中で余命宣告や実家の処分といった問題に直面します。
「母の死」を脚色なしに描いたコミックエッセイです!

 

読みたいと思ったきっかけ

きっかけは瀧波さんのツイートです。

末期がんの症状が出て、瀧波さんとお姉さんに「私の望むことだけをしてくれればいいから!」
と言う姿や、帯に書かれていた
「決して仲のいい母娘じゃなかった。だからこそ、お母さんに伝えたいことがある」
という言葉を見て買いたくなりました。

 

私の母

私の両親は5年前に離婚しているんです。
当時17歳だった私には、離婚の理由をはっきり説明してくれませんでした。
(私と妹はなんとなく気づいていますが…)
母はとても頑固なので、私たち姉妹は離婚に反対しましたが、
全く聞き入れてもらえませんでした。

「離婚できなかったら、私のこの辛い気持ちはどうなるの」
と言われた記憶があります。
離婚されると、私たち姉妹は辛いってことは頭になかったんですよ。
私から見て父は全然ひどい人ではなかったです。
お酒もほとんど飲まない、タバコもギャンブルもしなければ、
飲んで帰ってくる姿もほとんど見たことがありません。
お金を使うような趣味もなければ、
もちろん暴力もふるいません。

しいて言えば、無口なことと
あまり家事を手伝っていなかったこと
(それでも平均的なお父さんよりはしていたと思います)くらいです。

高校生の時に両親が離婚したので、
当時はなかなか辛かったです。
進学校に通っていてバイトもできなかったので、
金銭面では全面的に親に頼っていました。
すると、母の言ってることを100%そのまま受け取っていたなと今では感じます。
もちろん、反発することはあるんですけど
母に傷つくことを言われたら、そのままの意味で受け取って悲しくなっていました。

大学生になると、たくさんバイトして
自分の使えるお金が増えました。
比例して、家にいない時間も多くなりました。
そうしていると、上手く母の言うことを聞き流せるようになりました。
「たとえ親であれ、絶対的な存在ではない」という前提が
できたのかなと思います。
そう思えるようになると、私の中でとても楽になりました。
感情的に何か言われても、
「何で今そんなこと言うんだろう」とか
「本当はどう思ってるんだろう」って考えられるようになりました。
母と考えが違っても
「違う人間だから仕方ない」とか「25歳も年が離れてるもんな」と思えます。

私も母とは決して仲がいいとは思っていません。
適度に線引きをして付き合っているところが瀧波さんと重なり、本を手に取りました。

 

そのままでいい

この本を読んで思ったことは、そのままの気持ちでいいということと
無理に関係を良くすることもないということです。

瀧波さんは、お母さんの闘病中に関係が上手くいかなくなり、セラピーへ行きます。
そこで、「これ以上お母さんを嫌いになりたくない」という自分の気持ちに気付きます。
そしてこれ以上嫌いにならないため、電話を控え短めのメールに切り替えます。
自分の心が健康でいられる、適度な距離で付き合うことはどんな時も変わらないのかなと思いました。

また、「産んで育ててくれてありがとう」という気持ちを素直に伝えられればいいんだなと思います。
母と上手くいかない時は私にもたびたびありますが、育ててくれたことにはとても感謝しています。
その気持ちをそのまま伝えられればいいのかなと思いました。

 

最後に

縁を切ることができない親子だからこそ、どんな関係を築いていくか悩むことがありますよね。
しかしどんな時も、自分のことだけを考えず、相手を一人の人間として尊重することが大切なのかなと感じました。

『ありがとうって言えたなら』とてもおすすめなので、ぜひ読んでみてください!
ではまた!